網走 最後の銭湯

      一ノ湯あと
      一ノ湯あと

 

網走市内には一軒の銭湯がある。 と言うよりも、今は一軒しかない。私が初めて網走に来た25年前にはアプト4の周辺だけでも3軒、北地区にも2軒の銭湯があったことを覚えている。

 

旭湯あと       
旭湯あと       

 

もっと他にもあったのかも知れないが、旭湯・一の湯・ときわ湯・北の湯・厚生湯の5軒に行ったことがある。

また、昭和33年の商工名鑑を見ると10軒の銭湯があったようだが、今は貴重な一軒を残すのみ。

 

 そのたった一軒は「ときわ湯」(網走市南4条西2丁目)さんで、名鑑によると昭和7年の創業。建物は創業当時のものではなくリニューアルしていて、扉を入ると小さなロビーとフロントがあり右手が女湯、左手が男湯。男湯に入ると脱衣場に棚、浴場に入る左に洗濯機と乾燥機があり、入浴しながら洗濯もでき旅人にも優しいです。
 浴室の引き戸を開けると、道東の銭湯らしく天井は低く、左右と突き当り左にカランとシャワーがついた洗い場が15ほどあり、突き当り右に湯船が一つ、大人34人が足を伸ばして入れる浴槽。

湯船の上の壁にはタイル画があって、流氷の海に網走・鱒浦漁港の赤灯台と斜里岳が描かれており、流氷の海を見ながら入浴気分、家では味わえません。(※ちなみに、女湯のタイル画は「小清水原生花園」だそうです。) のんびり体を温めた後は、ロビーでフルーツ牛乳も飲むのもいいですね。

 

 

でも、大人はこんな楽しみ方はどうでしょう? 仕事やレジャーの後、バスや徒歩で「ときわ湯」まで。大きな湯船にのんびり浸かり体を癒したら、そのまま歩いて夜の街で一杯。これが本当に幸せだったりします。

網走最後の銭湯、いつまでもこの幸せが味わえますように。

 

(※ ミニコミ紙LOVEあばしりvol.16号の記事に、加筆修正しました。)